ピアノ調律師の基礎知識

 消音ピアノ

消音ピアノとはペダルやレバー操作により鍵盤を弾いてもピアノの(弦を弾く)音が消え、ヘッドホンやスピーカーからピアノの電子音を出すことができるピアノです。ピアノメーカーから販売されている消音ピアノと、通常のピアノに各メーカーから販売されている消音ユニットを後付されたものがあります。


 消音装置の構成

消音ピアノの基本的な構成は消音機能と電子音源で成り立っています。

消音機能(ハンマーシャンクストップ機構)
弦を打たないようにハンマーシャンクを止めます。消音時のハンマー接近(レットオフ)はこの位置より手前です。消音操作は中央ペダル、または専用レバーで行うタイプが多い。

センサー機能
鍵盤・アクション・ペダルの演奏情報を検出し演奏データとします。

電子音源
センサーからの演奏データ、情報により電子音をヘッドフォンで流します。

電源
消音機能のみの場合ACアダプタが用いられることが多い。


 メンテナンス

機能点検
年代、品番によって取付位置、外観は異なりますが共通要素で構成されています。
電源はACアダプタです。
ピアノへの接続はピアノ背面の場合とスイッチボックスの場合があります。コードが抜けていたり正しく接続されていなくて音が出ないということもあります。
消音機能を点検する場合中央のペダルをONにし、ボリュームを調整してヘッドフォンで発音、ペダル効果を確認します。
鍵盤下面にシャッターが取り付けられていますので鍵盤をはずした際にはシャッターを損傷しないよう注意が必要です。

調整方法

ヤマハ消音ピアノ
ヤマハの消音ピアノにはメンテナンスに関する注意ラベルが貼られています。参照してメンテナンスしましょう。
アップライトの消音ピアノの場合、整調はハンマー接近以外はアコースティックピアノと同じです。
・シャンクストップとハンマー接近についての整調手順
中央のペダルをマフラーペダルの要領で踏み込んで固定します。その状態でハンマーと弦の間隔が4.5~7㎜の位置で止まるようにハンマーシャンクストップをペダル吊り金のターンバックルで調整します。強く打鍵して消音時にハンマーが弦を打たないことを確認します。
そしてこのハンマーシャンクストップ位置に対して0.5~2㎜広くなるようにハンマー接近を調整します。従ってアップライトの消音ピアノの場合はアコースティックピアノの通常接近より広く調整することになります。

カワイ消音ピアノ
・止音機構の調整位置
ハンマーシャンクがシャンクストップレールに接した時ハンマーと弦の間隔が5~7㎜となるようにシャンクストップレールの位置を前土台内側の調整ネジで調整します。鍵盤数鍵を強打しても打弦音の出ないもっとも弦よりな位置(5㎜以内でも可)にセクション毎に弦との距離を確認します。不揃いな場合はシャンクストップレールを取り付けているネジをゆるめレールを前後します。
中央ペダルを開放しハンマーを弦にすすめた時、ハンマーシャンクとシャンクストップレールに1㎜以上の隙があるか確認します。
・ソフトペダル調整
突上棒パンチング上部と突上棒ブッシュゴムの隙間が0㎜になるようソフトペダルの蝶ネジで調整します。
・電子関係の調整
詳しくはメーカー技術者に問い合わせをお願いしましょう。

※実際のメンテナンスではピアノに添付されている調整方法を確認しましょう。消音機構が取付られている場合はハンマーシャンクのストップ位置とハンマー接近(レットオフ)の指定寸法による調整が重要です。

故障時の処置
電子基板など修理できない故障は、症状を記録し、消音ピアノ又は消音ユニットの販売店もしくはメーカーに対応を依頼しましょう。修理対応が的確にはかれるように配慮することが大切です。






 理論と作業工程
 第1章 ピアノ概論
 1 音楽の知識
 楽典
 西洋音楽史
 楽曲
 作曲家
 音楽産業
 2 楽器の知識
 楽器の分類
 ピアノの種類
 ピアノ発達史
 世界各国のピアノ
 使用と保守管理

 第2章 ピアノ構造論
 機構と材料
 発音機構
 打弦機構
 ペダル機構
 外装

 第3章 ピアノ調律論
 音の性質
 ピッチ
 平均律と各種音律
 検査方法
 張力計算
 カーブ
 調律音程

 第4章 ピアノ整調論
 手順及び寸度
 関連工程
 症状別対処法
 機能点検

 第5章 ピアノ修理作業
 発音機構
 打弦機構
 ペダル機構





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