ピアノ調律師の基礎知識

 世界各国のピアノ

 イタリア
ピアノの誕生においては諸説ありますが1709年にイタリアにおいて、バルトロメオ・クリストフォリによって発明されたというのが定説になっています。
ピアノ誕生初期においては数多くの楽器製作者が活躍していましたが、近代のピアノ製造メーカーとしては、他のヨーロッパ諸国比べやや遅れをとっています。
[おもなピアノメーカー]
ファツィオリ、クラウスなど

 ドイツ
ドイツにおける初期のピアノ製作の歴史はそのままピアノの歴史と言い換えても良いほどピアノの発展をとげています。クリストフォリの発明以降のピアノ製作に関してはドイツが担ってきたといっても過言ではないでしょう。
クリストフォリに少し遅れて始まったドイツのピアノ製作はシュレーターによって始められました。そしてその後ジルバーマン、シュタインと、その伝統は続いていきました。
その後、七年戦争など政治的に国内情勢が悪化し、技術者たちの一部が他国へ渡り、その結果イギリスやフランスに製作技術は伝わりました。
時代によってピアノ製作の中心地を移動することもありましたが、数多くの音楽家を輩出する土壌で、ドイツにおいてピアノ製作が廃れることは一度もありませんでした。
現在でもベヒシュタイン、スタインウェイ(ハンブルク)、ブリュートナー、ザウターなど数多くのドイツメーカーが世界中で使われています。
 ドイツのピアノメーカー

 イギリス
1700年初期にイタリアで発明されたピアノがヨーロッパ各地に伝わる一方、島国であるイギリスではその製作技術が簡単には伝わらず、本格的なピアノ製造が始まったのは1760年頃になります。
この頃、ヨーロッパでの七年戦争を逃れ、12人のピアノ技術者がイギリスに渡り、この中に、ドイツのピアノメーカーであったジルバーマンの工場からも数人の技術者がいました。それ以降、イギリス国内のピアノ製作技術が向上し、イギリス・アクションが発展しました。
特にジルバーマンの弟子であったツンペはチェンバロメーカーの工場に雇われ、その同じ工場に、ジョン・ブロードウッドが加わりました。ブロードウッドは後にピアノのあらゆる機構において改革を遂げ、ピアノ発達史に名を残します。
その結果、イギリスにおけるピアノ製造が盛んになり、1800年代の半世紀はウィーンと並びロンドンがピアノ製作の中心となりました。
[おもなピアノメーカー]
ジョン・ブロードウッド、ナイト


 フランス
フランスにおけるピアノの始まりは1716年のことで、チェンバロメーカーのマリュウスがピアノのような楽器を作っていたと言われています。1759年頃にもドイツ製のピアノで演奏会など行われましたが、フランスでのピアノの普及は1767年以降、イギリスからの輸入により始まったとされています。
フランスでピアノ製造され始めたのが1770年、その後1777年、セバスティアン・エラールがピアノを製造を始めたときから本格的なピアノ産業が発展していきました。
[おもなピアノメーカー]
エラール、プレイエル


 アメリカ
イギリスと植民地関係にあったアメリカですが、ヨーロッパ大陸とアメリカ大陸とではその距離から、ピアノ製作技術が伝わるのは少し遅れてのことになります。
アメリカで初めてピアノが見られたのは1773年のコンサートであったと言われています。国の関係性からイギリス製のものと推測されています。
ピアノの製作は1775年、ヨハン=ベーレントによって始まったとされていますが、象徴的なのは1800年にアイザック=ホーキンスがアップライトを製作したことがあげられます。アメリカにおいてピアノの発展が始まるのは19世紀になってからといえるでしょう。
[おもなピアノメーカー]
スタインウェイ(ニューヨーク)、ボールドウィン、メイソン&ハムリン、チッカリングなど


 オーストリア
ピアノが発明された1700年初期、オーストリアとドイツは政治的に緊張関係にありました。しかし、民衆としての視点から見ればオーストリアとドイツは同じゲルマン民族で、オーストリアはドイツの一部であるという考え方が根強くありました。
その意味でドイツのピアノ製作者であったジルバーマンの弟子、シュタインの息子たちがウィーンへ移ったのもそれほど珍しい話ではなかったといえます。
シュタインのピアノはモーツァルトのピアノを製作したことで知られるワルターと並び、ウィーンを代表するようになりました。
またピアノの発展には音楽家の力は不可欠でした。ピアノがピアノ曲とともに発展してきたという背景からも、当時ヨーロッパにおいて最大の音楽都市であるウィーンでピアノの製作が始まったのも自然な流れといえます。
[おもなピアノメーカー]
ベーゼンドルファー


 その他のヨーロッパ圏のピアノ
チェコ
ペトロフ、ボヘミアなど
フィンランド
ヘラス
スウェーデン
ノルディスカ
ポーランド
カリジア レグニッツァなど


 日本
日本にピアノが伝わる1800年後期の頃、日本では西洋の楽器であるピアノを製造するには欧米の生活習慣の考え方まで理解する必要があり、それは文化を変えるようなものであったと想像でるでしょう。
日本の最も初期のピアノメーカーではヤマハ(山葉)は知られていますが、ほかにも西川ピアノ、松本ピアノなどがあり、特に最初の国産のオルガンやピアノを製造することで競い合っていました。
おおよそ1900年前後ですが、ヤマハを含め、彼らの多くはヨーロッパやアメリカに視察に行き、帰国しては研究・開発に取り組みました。その中で切磋琢磨し、日本に日本製のピアノを定着させようとしました。
1950年頃までは数多くの日本製ピアノがしのぎを削り、その中でヤマハとカワイは日本を代表するピアノメーカーとして定着し、現在では世界中に輸出されています。


 その他のアジア圏のピアノ
中国
シンハイ ニエール ブレッシング プリンス パールリバー
リヒター アマデウス リットミュラーなど
韓国
ユンチャン ローゼンストック エセックス ウェーバー 
アスター ベルグマン サミック ワインバーグ コーラー&キャンベルなど
台湾
ヤーク フローラ アルバートなど
北朝鮮
パコ




 理論と作業工程
 第1章 ピアノ概論
 1 音楽の知識
 楽典
 西洋音楽史
 楽曲
 作曲家
 音楽産業
 2 楽器の知識
 楽器の分類
 ピアノの種類
 ピアノ発達史
 世界各国のピアノ
 使用と保守管理

 第2章 ピアノ構造論
 機構と材料
 発音機構
 打弦機構
 ペダル機構
 外装

 第3章 ピアノ調律論
 音の性質
 ピッチ
 平均律と各種音律
 検査方法
 張力計算
 カーブ
 調律音程

 第4章 ピアノ整調論
 手順及び寸度
 関連工程
 症状別対処法
 機能点検

 第5章 ピアノ修理作業
 発音機構
 打弦機構
 ペダル機構







ピアノ調律師の基礎知識ピアノ調律技能検定サイトマップ|  
copyright © pianotuner.jp