ピアノ調律師の基礎知識

 関連工程 / ピアノ整調論

アップライトピアノの整調の関連性

打弦距離→ロストモーション
打弦距離を調整するとハンマーレールが動き狭くすると、ロストモーションに遊びができ、広くするとロストモーションが突き上げになる。

ハンマー走り→ハンマーねじれ・弦合わせ
ハンマーの走りを修正すると、バットの取付角度が全体に変わるので、ハンマーヘッドが捻れる。また弦合わせも変わる。

ハンマーねじれ→弦合わせ
ハンマーのねじれを修正すると、ハンマーシャンクを中心にハンマーが動き、弦合わせの位置が変わる。

鍵盤の傾き→鍵盤の間隔・キャプスタン左右位置
鍵盤の傾きを修正すると、バランスピンの根元が曲がり鍵盤ごと動くので間隔も変わる。
また鍵盤後部にはキャプスタンワイヤーが取付られており、キャプスタンの左右位置も変わる。

鍵盤の間隔→左右位置
フロントキーピンを調整することにより鍵盤の間隔を揃えるが同時に鍵盤後部に取付られているキャプスタンワイヤーも位置が変わりキャプスタンの左右位置調整が変わる。

キャプスタン左右・前後→ロストモーション
キャプスタン左右・前後を調整するとワイヤーを曲げることによりキャプスタンの高さが変わり、ロストモーションが変わる。通常はキャプスタンの高さが低くなるのでロストモーションはカラになるが、ウイペンの取付角度によりキャプスタンワイヤーを手前に曲げてロストモーションが突き上がる場合もある。

ロストモーション→ならし・打弦距離
ロストモーションが突き上がっていると打弦距離が狭くなる。またカラの状態だと鍵盤の高さの位置が不安定なので鍵盤高さ調整(ならし)も不安定になる。

鍵盤高さ調整(ならし)→あがき
鍵盤の高さを変えると、鍵盤下面からフロントパンチングクロスの隙間の距離が変わるので鍵盤の深さ(あがき)も変わる。

バックストップ→各作業への関連性
キャプスタン前後
キャプスタン前:バックストップは広くなる。
キャプスタン後(奥):バックストップは狭くなる。
キャプスタン前後を調整すると、ウイペンの上がる量が変わるためバックチェック位置が変わる。
ロストモーション
突き上げ:バックストップは狭くなる。
カラ:バックストップは広くなる。
ロストモーションを調整すると、バックチェックの静止状態での位置が変わるため、鍵盤を押さえきった時のバックチェックの位置も変わる。
鍵盤高さ調整(ならし)
ならしが高い:バックストップは狭くなる。
ならしが低い:バックストップは広くなる。
ならしを調整するとキャプスタンの上がる量が変わり、鍵盤を押さえきったときのバックチェックの位置が変わる。
鍵盤深さ調整(あがき)
あがきが浅い:バックストップは広くなる。
あがきが深い:バックストップは狭くなる。
ならしと同様の理由である。

ダンパー総上げ→スプーン掛け
総上げを変えるとスプーンとレバークロスの隙間も変わるためスプーン掛けも変わる。

ペダル調整
ソフトペダル
先に突き上げだけ確認し、微調整は打弦距離調整の後で行う。
ダンパーペダル
ダンパーロッドとスプーンが関連しているためダンパー総上げ・スプーン掛けの他、スプーンが取り付けられているウイペンに関連する作業、キャプスタン前後、ロストモーション、ならし、あがきの後で調整する。

ストップレール調整
ジャックストップレール
鍵盤を押さえきったときのジャックの位置が関係しているため、関連作業のキャプスタン前後、ロストモーション、ならし、あがき、レットオフの後で調整する。
ダンパーストップレール
鍵盤を押さえきったときのダンパーワイヤーの位置が関係しているため、関連作業のキャプスタン前後、ロストモーション、ならし、あがき、総上げ、スプーン掛けの後で調整する。

ブライドルワイヤー位置調整
ブライドルテープが取付られているキャッチャー(バット)とハンマーレールが関係しているため関連作業の打弦距離、ロストモーション、ソフトペダル調整の後で調整する。


グランドピアノの整調の関連性

キーフレーム調整(ベティングスクリュー調整)→ならし
ベティングスクリューを調整することにより、バランスレールがベティングスクリューに持ち上げられ浮いたり、バランスレールを支えることができなくなったりするため、ならしが不安定になる。

鍵盤高さ調整(ならし)
鍵盤深さ調整(あがき)
鍵盤のフロント側の位置が変わり深さの量も変わる。
バックチェックの角度
わずかではあるが、鍵盤の傾斜が変わりバックチェックの角度も変わる。
ハンマーならし(打弦距離)
これもわずかではあるが、鍵盤に取付けられているキャプスタンの位置が変わりサポートの位置、ローラーの位置が変わりその部品の上にあるハンマーの位置が変わる。よって打弦距離が変わる。

ジャック前後調整
ブライドルテープが取付られているキャッチャー(バット)とハンマーレールが関係しているため関連作業の打弦距離、ロストモーション、ソフトペダル調整の後で調整する。

ジャック上下調整
ハンマーならし
ジャック上下を調整することによりレペティションレバーが上下するのでその上にあるハンマーシャンクも上下する。よってハンマーならし(打弦距離)が変わる。
レペティションスプリング調整
わずかではあるが、ジャック上下を調整することによりレペティションレバーが上下するのでその下にあるレペティションスプリングの上の位置が変わる。よってレペティションスプリングの強さが変わる。

※上記の他、さらに多工程に関連するものもあります。




 理論と作業工程
 第1章 ピアノ概論
 1 音楽の知識
 楽典
 西洋音楽史
 楽曲
 作曲家
 音楽産業
 2 楽器の知識
 楽器の分類
 ピアノの種類
 ピアノ発達史
 世界各国のピアノ
 使用と保守管理

 第2章 ピアノ構造論
 機構と材料
 発音機構
 打弦機構
 ペダル機構
 外装

 第3章 ピアノ調律論
 音の性質
 ピッチ
 平均律と各種音律
 検査方法
 張力計算
 カーブ
 調律音程

 第4章 ピアノ整調論
 手順及び寸度
 関連工程
 症状別対処法
 機能点検

 第5章 ピアノ修理作業
 発音機構
 打弦機構
 ペダル機構






ピアノ調律師の基礎知識ピアノ調律技能検定サイトマップ|  
copyright © pianotuner.jp